メーカーや流通会社
通関士の職場としては運送会社や倉庫会社が一般的ですが、もちろん、それだけではありません。
たとえば、海外の企業と頻繁に商品・部品のやりとりを行う国内メーカーや、輸入商品の買い付けを行っている百貨店・量販店なども、最近では通関業の許可を取得して、通関業務を兼業しているケースが増えています。そうした会社で、通関士として働く人は、今後ますます増えていくことでしょう。
また、通関士の資格取得後、専業や兼業の通関業者には就職せず、一般企業で働いている人も実は大勢います。
さきほど、メーカーや流通会社の例を挙げましたが、通関業務を兼業していないところでは、輸出入を行う際には通関業者に依頼することになります。そのときに、あなたが社内の担当者だったとして、もし通関士の資格・知識を持っていれば、通関関係書類の作成や、通関業者への依頼もスムーズに行うことができるでしょう。
メーカーや流通会社の年収は?
一口にメーカーや流通会社と言ってもさまざまな企業があるため、その年収にも大きな幅があります。そこで参考までに、流通会社の代表格である百貨店の平均年収を紹介すると、約540万円となっています。
商社
メーカーや流通会社以外では他にも、商社の貿易部署に勤務して通関士の知識を活かすという方法もあります。
商社では、輸出入貨物について、輸送は運送会社、保管は倉庫会社といった具合に、それぞれ専門の会社に委託します。通関士資格を持っている商社担当者ならば、貿易のコーディネーターとして活躍することができるでしょう。
商社の年収は?
商社の平均年収は、総合商社の場合は約1120万円、専門商社の場合は約570万円ですので、通関士の資格が活かせる職場としては、かなり魅力的な職場だと言えます。
銀行・保険会社
そして、国際決済の際には外国為替を扱い、また国際物流では商品に保険がかけられることから、銀行や保険会社などでも、通関士の知識を役立てることができます。
銀行・保険会社の年収は?
ちなみに銀行の平均年収は約640万円、保険会社の平均年収は約880万円です。
中小企業・貿易コンサルタント
最近では、大手企業だけでなく中小企業も輸出入取引を行うケースが増えていますし、また個人輸入をする人たちも増えています。
そうした意味では、通関士の知識を持った「貿易コンサルタント」に対するニーズも、今後高まってくるかもしれません。